News Release

2020.8.11当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」にて撮影した新たな画像「月と火星」を公開しました

2017年6月に打ち上げに成功した当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」は、現在も実証実験を継続しており、地上500㎞上空から数々の高精細画像の撮影に成功しています。今回、「CE-SAT-I」にて撮影した新たな画像「月と火星」を公開いたします。

月と火星

8月9日は地球上から月と火星の見える方向が接近して月による火星の掩蔽(ある天体Aが観測者と他の天体Bの間を通過する際に、その天体Bを隠す現象)が起こる日であり、月と火星を同時に撮影するチャンスでした。このチャンスを「CE-SAT-I」衛星により撮影するべく、月と火星の接近時の同時撮影にトライしました。結果、8月9日15時30分頃(日本時間)、南太平洋上空にて、衛星搭載の口径400mm反射望遠鏡と望遠カメラ(EOS 5D Mark III)により月(月齢19)と火星(マイナス1.3等級・視直径16秒角)がおよそ10秒角まで接近した姿を捉えることに成功しました。

この画像から、火星の極冠(氷などによる白い部分)も観測できます。今回の撮影を行うにあたり、衛星の望遠鏡を目標天体に向ける指向精度と、衛星の軌道運動を考慮した衛星-月-火星の位置関係の予測が重要でした。月による火星の掩蔽は世界中では年に数回起こっていますが、例えば東京で夜間に観察できる機会に限りますと直近での観測日は1987年2月、2022年7月、2043年3月となっていて、たいへん珍しいイベントとなっております。ぜひご覧ください。

引き続き、キヤノン電子グループの宇宙事業への取り組みにご期待ください。

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