複合機能材料研究室
2013年入社
ミクロからマクロまで、未知の世界へのチャレンジを続ける
研究はあきらめないこと、
挑戦を続けること
キヤノン電子に入社を決めたのは、「三自(自覚、自発、自治)の精神」を知り、自発的に研究に取り組める体制に惹かれたから。大学で学んだ知識を生かしながら、新しいことに挑戦していけることが魅力でした。入社当時は、研究室の中で女性はわたし含めて二人と少なく、学部卒も珍しいことでした。やる気を尊重してくれる会社なので、選んでもらえたのだと思っています。職場では、性別、年齢に関わらず実験者の意見を尊重してくれるので、自分が納得するまで研究できる環境です。
今は、一眼レフに使用されているシャッター羽根の開発をしています。材料の選定や構成を研究し、シャッター羽根の高性能化、軽量化、高剛性に取り組んでいます。大学の研究室では、アルツハイマー病や緑内障麻痺の治療薬の人工合成が研究テーマでした。未知の反応経路の開発でしたので、失敗の連続。今の研究でも失敗することは日常茶飯事ですが、実験の失敗が続いても、あきらめずに何度も挑戦する精神力と、失敗から何か一つでも得ようという姿勢は大学で身についたと思います。
失敗を重ねた先に見えた、
伝える力の重要性
わたしが研究しているテーマは、0.01g軽くできただけでも感激するようなミクロの世界です。実験がうまくいかなかった時は、「問題の原因を見つける→その証明のための実験→解決策の模索と提案」の繰り返し。入社2年目に行う「2年次レクチャー」で、上司の前で自分の研究を発表する機会があり、伝えることの大切さを学びました。そのときは2 カ月かけて資料を準備したのですが、まだまだ伝える力が足りず、先輩や上司の方にアドバイスを沢山いただきました。
関係者に実験の内容を正確に伝えることで、問題解決策の糸口が見つかることが多々あります。伝えるために考えるようになり、伝えるために知識や情報を得ることが大切で、それにより活発な議論ができたときに達成感を覚えます。最近では、「なんで?」が口癖になるほど、物事を言語化する意識が芽生えてきました。
あたらしい世界への
入り口を探す
いまは新規事業の宇宙関連についても研究をしています。ミクロからマクロまで手がけるようになりましたが、今後は小さなことでもよいので何か一つ、「誰よりも詳しい」分野をつくりたいです。目の前の目標は、材料の水分量など目に見えないものの数値を測る、ミクロ分析のマイスター。
会社がセミナーや展示会へも積極的に参加させてくれるので、学びの機会は多いと思います。また、実験に対しても、基本的に実験者の意見を尊重してもらえるので、自分が納得できるまで検討することが出来る環境です。研究は終わりの見えない世界。だからこそ、小さな達成感と好奇心を忘れず、これからも日々挑戦を続けていきたいです。
1日のスケジュール
- 7:30
- 出社
- 8:00~9:00
- 朝会
- 部内のメンバー約10人で今週の実験の予定を確認。
- 9:00~9:10
- 居室でメールチェック
- 9:10~10:00
- 実験室で実験準備
- その日行う実験の内容を確認の上、使用する材料の計算や秤量を行う。
- 10:00~10:07
- 休憩( 2~4人でお茶を飲む)
- 10:07~12:00
- 実験室でサンプル作製
- 準備した材料を使用して、サンプルを作製。
- 12:00~12:45
- 部内メンバー6~9人で食堂で昼食
- 12:45~15:00
- 実験室でサンプル作製②
- 準備した材料を使用して、サンプルを作製。
- 午前中とは条件を変更。(例えば材料の種類や量を変更)
- 15:00~15:08
- 休憩(2~4人でお茶を飲む)
- 15:08~16:00
- 実験室でサンプルの評価
- 作製したサンプルの引張試験や透過X線観察を行う。
- 16:00~17:00
- メールチェック、評価したデータの整理(場合によっては上司に報告)
- 17:00~17:15
- 日報記入
- その日の実験内容や評価結果を記入。
- 17:15
- 退社
- 18:00~
- 得意先と食事会(新製品が完成したときに開催されます)
プロフィール
大学では有機合成化学研究室に所属し、治療薬に使用されている天然由来の化学物質の合成を行なう。研究室では、イベントや飲み会を開催し、オンオフのメリハリをつけて研究に没頭。就職後、長期休暇には国内外へ旅行。普段の週末は、博物館や美術館、ミュージカルなどを鑑賞し、感性を磨く。これは、研究であたらしい角度から切り込むための発想力を身につけるためでもある。