光学技術研究所
2015年入社
空からしか見えないものを写す撮影機器の開発
カメラ好きが高じて、宇宙関連事業担当に
学生時代から映像を制作したり写真を撮ったりすることが好きだったので、カメラをつくる仕事に関わりたくてキヤノン電子に入社。希望通りの部署に配属されたのですが、入ってみると、そこは宇宙用反射望遠鏡とカメラの開発をしていました。
具体的には、現在打ち上げられている人工衛星に搭載されている大きな鏡を使った反射型望遠鏡の開発や組立、超小型人工衛星に搭載できる特殊なセンサを備えたカメラの開発を行っています。
ナノメートルレベルの挑戦
宇宙用の反射型望遠鏡では、主鏡の歪みがナノメートルのオーダーで性能に関わってきます。そのため、ロケットの大きな振動にも耐えられるように振動試験を行うなど、事前の準備と検討実験を繰り返し実施します。実験では、思うような結果にならないことが多々あります。エラーの再現性を確認して原因がわかり対処できたときに、やりがいを感じます。
2018年2月に打ち上げに成功した超小型衛星「たすき」のメインカメラとして、宇宙用カメラの開発・組立・運用に成功したときは、とても感動しました。携わった宇宙用カメラは、人工衛星の仕様にあう一品ものとして開発しました。当時は、まだ宇宙用カメラを作る評価方法がなかったので、2人体制でゼロから調査をして性能を確立しました。
製品を設計して、評価、組立、完成までの一連の流れをひとつの会社で完結できることが、キヤノン電子の最大の魅力。ものづくりに携わる者にとって、達成感を実感できる恵まれた環境だと思います。
暮らしを変えるカメラをつくりたい
わたしが作っている宇宙用カメラは、農水産物の生育状況や森の侵食率、災害時の被害状況確認など、上空(宇宙)からしか把握できない情報を即座に入手することができます。社会に貢献できるこの仕事に誇りを感じつつ、より高解像で、今まで見ることができなかったものまで見られるようなカメラを開発できるように、これからも目標を高く持って研究を続けたいです。
1日のスケジュール
- 7:45
- 出社
- 8:00~8:30
- 朝会で進捗状況を共有する。
- 8:30~10:00
- 開発中のカメラ用に設計した組立治具の組立と、使い方に問題がないかを調べる。
- 10:00~10:07
- 休憩
- 10:07~11:45
- 評価実験で撮影した画像の解析をする。
- 11:45~12:30
- 部内メンバーと食堂で昼食をとる。
- 12:30~15:00
- 解析の続きを行う。
- 15:00~15:08
- 休憩
- 15:00~16:00
- 解析結果から画像処理に必要な情報を整理する。
- 16:00~17:00
- 画像処理が適切に行えているか調べる評価実験を新たに考案する。
- 17:00~18:00
- 評価実験の内容について、他部署の電気・ソフトチームに相談する。(立ち会議)
- 18:00~18:30
- 評価実験に必要な物品をリスト化し、準備する。
- 18:30~19:00
- 食堂で夕飯をとる。
- 19:00
- 退社
プロフィール
半導体物理学を専攻、修士課程修了。研究室では、段ボールを敷いて実験室に泊まり込むなど、実験に明け暮れる。実験計画の立て方、誤差の考え方、数値の信頼性など、学生時代の経験が、現在の製品評価を行うときに活かされている。プライベートでもカメラを手に、旅先で動画を撮影して編集したり、散歩をしながらストリートフォトを撮ったり。趣味を満喫することが、仕事の知識の引き出しを増やすことにも繋がっている。